ラインフェルデン、ドイツ製の水力発電所

ラインフェルデン、ドイツ製の水力発電所


新ラインフェルデン水力発電所は、スイス側のラインフェルデン AGと、ドイツ側のラインフェルデン(バーデン)の2つの対向都市の間の、アッパー・ライン川の河川敷設発電所で、2010年に操業を開始した。
発電はドイツとスイスの間で均等に分割され、それぞれの国のバイヤーが子会社として電力を販売している。
環境保護にも配慮されており、遡上等の魚の移動のために別々の運河が建てられているため、彼らは川をバラグを登ることができるのである。

ラインフェルデン

Made in Germany: Wasserkraftwerk Rheinfelden
ライン川はスイスとドイツの国境を形成しており、ラインフェルデンはそこに含まれる。スイス領とドイツ領に分れているこのラインフェルデンは12世紀にツェーリンゲン家によって創設された歴史ある街である。古くから温泉療養地として知られ、近年においては、カジノやレンガ造りのビール工場などを目当てに来る観光客でも賑わいを見せる。

【閲覧注意:ゴミ】インドネシアのチリウン川の浄化

ドイツのメディアがインドネシアのチリウン川を取材


ドイツのビデオニュース製作者、Zoomin.TV Deutschlandがインドネシアの河川の環境問題を取材した。

環境問題が住民の責任にされる

Purification of the Ciliwung River in Indonesia
インドネシアの巨大都市ジャカルタのチリウン川はゴミでいっぱいである。一部の心ある住民が川を定期的に清掃している。政府はこの問題に取り組んでおらず、逆に住民に対する責任を追求している。

【閲覧注意:ゴミ】チューリッヒ、川底の3Kの仕事

チューリッヒ、ダイバーとボランティア、川底の3Kの仕事


ダイバー協会SCUBA VIVAと清掃ボランティア

Diver Association SCUBA VIVA and Cleaning Volunteer
チューリッヒでダイバー協会SCUBA VIVAを中心に川底のゴミを拾う活動が行われた。
ダイバーが次々と川に飛び込み、ゴミを拾ってきてボランティアに手渡す。ボランティアが受け取ったゴミが次々と用意された大型のゴミ箱を満たしていく。
タイトルからもわかるように川底はかなり汚い。見るに耐えない部分もあるかと思われるが、都市部の活動というものは無秩序に放っておけばこうなりやすいという現状と、それを憂慮する心ある人たちの活動が存在するという事を可能な限り知ってもらいたいので敢えて掲載する事にした。

ダイバーとボランティアが水質改善

毎年、600万トン以上の廃棄物が河川を通って海洋に流れ込み、水中や動植物に回復不能な被害をもたらす。我々は行動するよう呼びかけられている。
特にダイバーにとっては切実な問題である。毎年約11,000人のダイバーと2万人以上のボランティアが25万キロ以上の廃棄物を取り除いている。ダイバーは、環境保護に対する意識を高め、データを収集し、積極的な変化を促すことによって、水質改善に役立てている。

チューリッヒ

チューリッヒはスイス最大の都市でチューリッヒ州の首都である。チューリッヒ湖の北西端に位置するスイス北部の中央にあたる。自治体はおよそ400,028人の人口を持つ。チューリッヒは、鉄道、道路、航空交通の拠点であり、チューリッヒ空港と鉄道駅は、いずれも国内で最も賑わっている。

スイスライン港でのビジネスランチの光景

スイスライン港


2016年6月8日、スイスライン港では、内陸輸送における気候および環境保護措置が発表された。
船舶や港湾の物流をより環境にやさしく、気候に優しいものにするために、ライン川沿いや国際的にも努力がなされている。スイスライン港には環境の持続可能性が非常に重要であると副局長は説明している。水質の保護のための国際的な合意は非常に重要である。

汚れた土の扱い方

ビジネスランチでは汚れた土壌をどのように扱うことができるのか、砂利などの精製された材料を、材料循環の観点からリサイクル建材として使用できるのかも説明された。

LNG供給船の環境保護への貢献

View of the business lunch at Schweizerische Rheinhäfen
LNGの船舶は、ディーゼルエンジンを搭載した船舶よりも温室効果ガスが20%少ないとの説明があった。これはガス漏れを考慮した数値である。窒素酸化物及び粒子状物質は96〜99%少なくなるとの報告も挙がっている。LNG供給船は、液化天然ガスを再生可能なバイオガスに置き換えることによって、気候保護に大きく貢献する事が期待出来る。LNGの生産、輸送および貯蔵をさらに最適化する事が今後の課題といえる。

アマゾン、コロンビアでのエコロジーな農場経営

ドイツのメディアDW Deutschがコロンビアでの環境保護を取材


アマゾンの一部であるコロンビア

アマゾンの一部であるコロンビアは世界で最も生物多様性の高い国のひとつである。今、ユニークな動植物の伸びやかさが脅かされつつある。ドイツのメディアDW Deutschがコロンビアでの環境保護と自然破壊の抑制を目指す社会実験を取材した。

農業による森林破壊

コロンビアの木材の過剰輸出とカカオの不法栽培による植え付けで天然の森林が激減している。他に資源を得る術の無い農家は、こうした不法栽培で生活の糧を得るしかないのである。また、馬や牛などの家畜のブリーダー達は森林を牧草地へと変貌させてしまう。

環境保護を農場経営にも利点を持たせる

Make a passage for cow walking
社会実験での取り組みの一つとして農家に興味を持たせるという事がある。それは、牛の育成に役立つ木を植林したり、外部から投資を呼びかけて、産業を勃興させ職を生み出す事である。
牛を自由を放牧せず、また縛り付けたりせず、通路を設けて歩かせる事も森林育成に一定の効果を期待でき、天然の肥料を提供する事で周囲の農家にも役立つ取り組みとなる。

チーズによって成立するエコロジー

Cheese made with organic farming
経営学を学んで経営効率を上げる事も効果的である。我々は自然の土と生きていけば失う者は何も無いと、エコロジーに取り組む若き農場経営者はいう。彼等の手で直接絞った牛の乳がチーズとなり、彼等の食卓に上り、あるいは商品として市場に出回る。有機食品、グルメ、首都のレストランに需要があり、大企業のように大金を稼ぎ出すというタイプではないが、エコロジーとエコノミーを両立した優良な小規模経済モデルであると高く評価出来る。

無数のコンピュータで黒海とドナウ川の未来図を描く

黒海の全体像をコンピュータが描く


ドナウ川に特別チームが結集

科学者たちは現在、多くの細部から黒海の全体像をまとめようとしている。特別チームがドナウ川のほとりに会した。ルーマニアとウクライナの科学者は、共同研究を開始した。彼らは、両国が共有する巨大な保護区域であるドナウ川デルタの水質と生物学的価値を評価する。

ドナウ川デルタの水質が改善

ドナウ川デルタ研究所の生態学者ジェニカ・ハンガヌは良いニュースをもたらした。藻類の成長が減少しているというのである。 さらに、水質改善の指標となる種もいくつか開発されている。工業排水の減少と効果的な水処理施設は、ドナウ川デルタの水質を改善している。

三角州の狭小化によりオークの木が減少

だが、この地域は他の課題に直面している、とルーマニアの地理学者ユリアン・ミッチェルスは述べている。ドナウ川には現在ダムと堤防が数多く存在する。デルタは狭くなっており、川は深くなっている。これは全地域の生物多様性に影響を与える。たとえば、以前は樹木が茂っていた場所が、水辺に接近していないため、今ではオークのような木が少なくなっている。

ダムの存在が乾燥につながる

Tausende Computer zeichnen Bild des Schwarzen Meeres
問題は当然ウクライナ側にもある。川とその環境には政治的境界というものが存在しない。水文学(水とロゴを合せた古代ギリシャ語から派生した言葉)者のミハイル・コルニロフは、ウクライナ側の主な問題は洪水であると説明している。さらに、ドナウ川に沿ったダムは、川と隣接する湖との間の水の交流をより困難にしている。それはが今後多くの湖を乾燥させていくと予想される。

ドナウ川の重金属濃度が減少

科学者が研究旅行で収集した多様なサンプルは、より詳細な検査のために実験室に運ばれる。化学者リリアーナ・テオドーロフも良いニュースをもたらした。近年、ドナウ川の重金属濃度が減少し、カドミウム、亜鉛、鉛などの金属が減少している。それらはもともと産業排水と農業から来るもので、未だに存在している。 だが、その量が土壌と水の両方で低下しているのは喜ばしいことである。

古い実験データも新しい形式に書き換えなくてはならない

ドナウ川デルタからの多様なデータが定期的に収集される。彼らは研究室の篭らず、また別の研究の旅に赴く。次に研究チームが集まったのはジュネーブで、そこではインタラクティブな地図とデータベースが、黒海の環境データ(ドナウ川デルタを含む)から集められている。環境科学者のグレゴリー・ギュリアニーは科学者たちは、時間の半分をすべてのデータを調べるのに費やしていると説明している。データというものは異なる形式と異なる品質でもたらされる。それゆえ実験や検査のソフトウェアが機能していくように既存のデータも、新しいソフトウェアに即した形式に変換していかなくてはならない。

開発したモデルを様々なプラットフォームから提供

科学者たちはこれまで、ドナウ川の土地利用、人口開発、水のバランスなどのコンピュータモデルを開発してきた。これらのモデルはさまざまなプラットフォームから使用できるようになっている。Google Earthもそのひとつでそこからアスクセスが可能になっている。スマートフォンやタブレットコンピュータで見ることも可能である。

人々はインターネットに接続し現実世界との接続がオフラインになる

このプロジェクトは地球規模の地球観測の一部である。モニタリング技術は、世界中の生態系や地域に関する情報を提供する科学的データベースを提供することを目的としている。 環境を観測する今日の技術は、衛星やセンサーを用いて非常に洗練されたものとなっている。そしてインターネットを使ってデータを広める。過去に作られた起源点が何年も経った未来で光るように。だが、残念な事に人々は現実世界への接続を失いかけている。新しいデータベースで追求される主な目標は、社会を複雑な自然環境に近づけることである。

データ分析によって災害などの未来予測を

ドナウ川の研究において研究者は実際に簡単にアクセス可能で重要なデータの実用的なアプリケーションを探している。水文学者ミハイル・コルニロフは、さまざまな国のすべてのデータを分析することで、黒海流域の状況を完全に把握できると考えている。例えば、この地域で起こり得る気候変動のシナリオを予測することが可能になるであろう。
またドナウ川デルタ研究所の彼の同僚であるジェニカ・ハンガヌも同様の知見を示している。将来的にはデータを使って多くの戦略を改善することができるようになる。たとえば、洪水のリスクを最小限に抑えたり、種の絶滅を抑制したり、生態系の変化を避けることが可能になると期待される。

景観が生きている黒い森シュヴァルツヴァルト

特別なリラクゼーションエリアとしてのシュヴァルツヴァルト


低山脈にあるのは森の海だけではない、と旅人はいう。池沼、沼地、滝、白い牛が住む高い牧草地は、シュヴァルツヴァルトを世界的に有名な自然体験の場としている。シュヴァルツヴァルト国立公園は、温泉や浴場、バーデンなどの洗練された海辺のリゾートがある、特別なリラクゼーションエリアである。

シュヴァルツヴァルト

Schwarzwald
シュヴァルツヴァルトとは、ドイツ語で「黒い森」を意味する。密集して生えるトウヒの木によって、暗くあるいは黒く見えることがその由来である。
バーデン地方に位置するシュヴァルツヴァルトは、ドイツ最大の連続山脈でもあり、ドイツ連邦の最も重要な観光地であり、ドイツの低山脈の中で最も熱い視線を集める保養地である。

ザンクト・ガレンの水流は大丈夫か

スイスの環境・エネルギー局AFUが警鐘を鳴らす


スイスの環境・エネルギー局のAFUの多年度計測シリーズの評価は、ザンクト・ガレンのカントンの小川の水質に重大な欠陥を示している。調査された50本の流域のうち、35種類がスイス連邦流域規制の要件を満たしていないというのである。原因と結果は多様だが、そのうちのいくつかを挙げてみよう。

流下に負担をかけるもの

Sankt Gallen
水域で何年も過ごす小さな水生動物は、水質と生息地の関係を提示しているといえる。カワゲラのような感受性の高い種は、圧力が大きすぎると自分自身を維持することがでないので、生物多様性の減少につながる。
水質汚染の原因は多岐にわたり、ほとんどの場合、複数の汚染源が同じ水域に作用している。個々の河川には、いわゆる下水道真菌を形成する細菌がひどく繁殖していた。このタイプの汚染の原因は、不十分に精製された廃水であることが多く、それらは河川等に直接排出される。また、農業や交通地域からの流出は、小さな河川に大きな負担をかける。
サンクトガレン州では小川の現状を写真等で提示し、連邦環境省に上げる全国的な調査が行っている。

ザンクト・ガレン

16万人の都市圏人口を抱えるスイス東部の中心都市である。スイスで最も標高が高い都市のひとつであり、冬にはかなりの積雪量がある。612年頃にアイルランドの修道士である聖ガルスがシュタインナッハ川の川岸に建てた小屋に起源を持つ。聖ガルスの死から1世紀経った719年に、聖オトマールはその小屋を修道院へと改め、街と修道院を聖ガルスにちなんで「ザンクト・ガレン」と名付けた。

「私に仕事をさせて」ゴミ箱より ドイツ青少年のプラスチック収集

ドイツ青少年のプラスチックゴミの収集活動


ドイツの青少年コミュニティのプラスチックゴミの収集活動が紹介されている。この団体の活動で、多くの場所で廃棄されたゴミが生物の活動を危機に追い込む状況から脱してる。彼等にとって、自然界には廃棄物、つまり不要な物など無い。また、ゴミを捨てるという行動が無くなれば、彼等がゴミを拾って歩くという光景も自ずと無くなるのである。

ライプチヒの河川での活動

German youth's environmental protection activities in Leipzig
世界海洋デーをその月の活動日と決めた時、彼等の足は安定した地面を離れて新たな地形に赴いた。ゴミ収集の道具と袋で武装して彼等はライプチヒ・エルスターの列車に乗った。
水上でのゴミ拾いは簡単な仕事ではない。川岸のゴミを拾う間にも誰かがボートを岸に寄せて操作しなくてはならない。車のタイヤを水の中から引き抜くためにボートをかなり傾けなければいけない事もあったようだ。幸いにも、転覆はしなかった。若者の自然環境に対する真摯な姿勢を強く示したものといえるだろう。

ドイツと韓国、クリスチャンコミュニティの河川保護における取り組み

ドイツと韓国、クリスチャンコミュニティの河川保護


イエス・キリストの福音を環境保護を通じて立証する

oekumenische-mitarbeitende
ドイツのクリスチャンコミュニティが、韓国の教会と協力して河川の環境保護の活動を行っている。
生態学者のカリナ・シューマッハ氏は、生態学の美しさは、それが複雑なほど簡単なことだと言う。それはすべて互いに依存している事。
システム全体の一部が破壊されると、システム全体が不安定になってしまう。これは論理的な事だろうか。彼我の関係とは何か。我々の日常生活のどういう意味を持つのか。河川の保護活動の勤しみながら彼女は問う。
イエス・キリストの福音を歓迎して信じて立証する。国境を越えて出会ったり分かち合ったりする時の不思議な経験は、我々が福音を再発見するのに寄与する彼女は言う。
環境保護が彼女達の意図通りに国際社会のつながりに発展していく事を期待する。

ドイツ、クックスハーフェンのエルベ川を知る集い

船でエルベ川を知り産業に活かす


ドイツ、クックスハーフェンの市議会メンバーを中心とする市民団体がエルベ川を知る催しを開催した。エルベ川(地図上ではラベ川とも)の河口では観光が重要な産業となっているが、それが環境へ悪影響を及ぼさないか彼等は監視する意味合いも持っている。どの国の観光地でも問題になる事だが、ハード面の産業とソフト面の産業の折り合いをどうつけるかが課題となっているようだ。

クックスハーフェン

Cuxhavener
ドイツ連邦共和国ニーダーザクセン州クックスハーフェン郡にある市である。 市にはエルベ川の河口があり、北海に面している。
クックスハーフェンには重要な漁船の埠頭があり、2008年までハンブルグとキール運河の登録ポイントを運航している。観光もまた非常に重要な産業となっている。

ドイツ、エルベ川の環境水上ディスカッション

ゴム製のディンギーがディスカッションの場


水上のディスカッションラウンドがドイツでシニア層を中心に賑わっている。化学医とフリーランスの作家、観光局長、プロテスタントアカデミーと参加する人々の出身は様々だが、ドイツの二番目に長い川の問題に注意を喚起する目的でこのゴム製のディンギーの水上ディスカッションが催される。

河川のソフト産業

By boat from Wittenberg to Griebo
川上で輸送される物品が絶えず減少していることは、輸送ルートとしての拡大が間違った方向の道であるという環境保護主義者へのシグナルといえる。例えば、埠頭は膨張よりも解体を拡大している。なぜなら、とりわけ河川の河口とエルベ川沿いの海岸は、長期的には周囲の景観に大きなダメージを与えるプロセスを維持するからである。砂の床にあるエルベは常に埋め立ての危機にさらされる。地面は絶え間なく水面を拭き取られ、川の鏡は沈んで周囲のエルベ川を連続的に乾燥させる。
自然の川、環境と文化財を結びつけるのも望ましい選択肢である。水上の輸送数は長年にわたり減少しており、低水量の長期間にわたり、エルベ川の輸送ルートとして使用することは不可能な状況である。しかし、思考を逆転させると、川沿いの他の産業にとって有益であるともいえる。モーター船等のソフトな観光に注力する事もそのひとつで、エルベ川の本質を取り戻す事により、輸送ルートとしてのエルベの拡大の利益よりも、河川を保護するソフト産業のほうが望ましいといえる。
多方面の有識者を巻き込んだエルベ川の再生の議論がこれから活性化していきそうだ。

[公開終了]小さな川エムシャー、水を再生させた足跡

小さな川エムシャーの再生



小さな川エムシャーの再生がドイツ語で語られる。
何世紀にもわたり、ドルトムントとデュイスブルクの間の多数の支流として蛇行した小さな川エムシャーは自然の生命線であった。フィッシュポットやフィッシュフックのような考古学的な発見は、エムシャーに沿ってどこにでも現れていたパイク、ブルヘッド、コイ等の魚に証左される。しかし、ルール地方にドイツ最大の硬質炭と鉄鋼産業を見出す事によって、川の表情は一変した。
エムシャーグノッセンシャフト(ドイツの最初の水管理組合)はエムシャーとその支流のほとんどを下水道に変えた。彼らの仕事は、鉱山や製鉄所からの産業廃水をライン川に排出することである。この事業のために、エムシャーはその支流も含めて直行に流下を矯正された。強固なコンクリートベッドに河川が押し込まれていった。何十年もの間、そのような有毒な工業排水は、集落と都市を通って公然と流出した。これには家庭用排水も含まれた。こうしてかつてのきれいなエムシャーは下水道になった。ドイツの汚れた川になってしまったのである。

重工業の終焉 - エムシャーにとって新しい機会

前世紀の1950年代の終わりまで、ルール地域では硬質炭の生産が急増した。しかし、メダルの裏として表れた欠点は、石炭シームの崩壊など、地面の制御不能な流動によって引き起こされた沈下であった。
地球の制御不能な活動を考慮すると、第二のエムシャーになるような汚水を地下の下水管を通して排水するやり方は技術的には危険すぎるといえる。ルール地方以外では、このような下水道システムは長年にわたり行われてきたが、悪臭に悩まされているエムシャーの住民が、廃水管理者がその地域で代替案を発見するまでに50年ほど待たなければならなかった。
ルール地方の重工業の終焉は、エムシャーにとって新しいチャンスとなった。大部分の鉱山が生産を停止した後、その地域の下水が河川や地下から汚染が消えていくはずである。 エムシャーグノッセンシャフトはEUの新しい水ガイドラインに則って2009年に巨大なプロジェクトを開始した。汚染されたエムシャーとその汚れた支流を350kmの距離に亘って自然に近い河川システムに再建した。

マンモスプロジェクト:エムシャーの再建

目標は、2020年までにエムシャーを廃水から解放することである。将来的には、すべての排水は、下水処理場で400キロメートルの地下のコンクリートパイプシステムを通って輸送される事になる。
しかし、新しい下水道システムはエンジニアにとって問題も提起している。こうした人口密度の高い地域では、過去にキロメートル単位のパイプルートが地下に置かれた例は無い。これを実行するために、エンジニアは現代の鉱業技術に依る新しい技術プロセスを導入する。30メートルの深さのシャフトを通って、貨車が付いている個々のパイプ部品は、長いトンネルを通って10キロメートル離れたところまで目的地まで運ばれる。完全に組み立てられたパイプのみがある。すべてのパイプが一旦設置されると、下水処理プラントに接続される。
2020年までに、220万人の住民、産業、商業の汚染された廃水が処理される予定である。これは、将来的には5つの汚水処理場によって担われる事になる。その後、水は洗浄され、エムシャーとその支流にポンプで戻される。

自然は応えてくれる

Trout of Emscher regenerated
新しい下水システムは、運河を自然の水域に変換するための基礎を形成している。
すべてが準備され、新しい下水処理場がフル稼働するまでに、エムシャーはまだ多くの場所で汚水を運ばなくてはならない。小さな支流の約半分はすでに古いコンクリート床から解放され、川の堤防は改修された。清流はすでに、河川システム全体が将来どのように見えるかを我々に示している。
徐々に、茶色の鮭鱒のような魚は、彼らの古い生息地に戻ってきている。エムシャーの高い水位を補う新たに作られた湿地は、タゲリ(田計里)のような珍しい鳥を誘う。エムシャーグノッセンシャフトは、エムシャーの再建に53億ユーロを投資している。下水道を自然の川に変えれば、ルール地方の住民の生命線はもとに戻り、将来の重要な一歩となる事であろう。